■ 抄録・要旨
| 地球規模で深刻化する環境問題の危機は、地球温暖化、資源浪費、生態系破壊の3つに集約できる。これらの危機に対応するためには、低炭素社会、循環型社会、自然共生社会から構成される持続可能な社会の構築が必要不可欠である。これらの構成要素は、低炭素社会が中央にあり、それを支えるのが自然共生社会と循環型社会であると考えられる。水環境の保全も、持続可能な社会の構築において非常に重要な位置づけにある。例えば、気候変動(地球温暖化)の水環境への影響は、水温の上昇(冷水性生物への影響)といった生態系への影響や、水質の低下(透明度の低下等)といった利水環境への影響等、多岐にわたる。水環境保全における排水対策の今後のあり方として、上下水道事業を例に挙げれば、1つの流域の中で、取水と排水の位置を決め、取水した点のできるだけ近くに排水を流し、河川の水質や流量を考慮した流域管理の中で実施されるべきである。
|